パワーポイントで録画中にノートを表示する方法|文字を大きくして台本を読みやすくするコツ

パワーポイントで講義動画を録画しようとして、「発表者ツールを使っているのに、記録を始めるとノートが消える」と困ったことはないでしょうか。原因の多くは、プレゼン用の画面と録画用の画面を同じものだと思っていることにあります。この記事では、録画中にノートを表示する手順、文字が小さいときの直し方、ノートが動画に映らないかの確かめ方を、パワーポイントの版ごとの違いを含めてまとめました。Microsoft公式のサポート情報を確認した内容です。

目次

録画中にノートが見えない原因は「発表者ツール」と「記録ウィンドウ」の違い

結論からいうと、録画中にノートを見るには、スライドショーの「発表者ツール」ではなく、録画専用の「記録ウィンドウ」でノートを表示します。この2つは別の画面で、設定も別です。

発表者ツールは、人前でプレゼンするときに、自分のパソコンだけにノートや次のスライドを映す仕組みです。「スライドショー」タブの「発表者ツールを使用する」にチェックを入れて使います。検索で出てくる「ノートを見ながらプレゼンする方法」の多くは、この発表者ツールの説明です。

一方、講義動画を作るときに使う「スライドショーの記録」は、記録ウィンドウという別の画面で動きます。発表者ツールの設定をしていても、記録ウィンドウには関係がありません。記録ウィンドウの側でノートを表示する操作をしないと、録画中は台本が見えないままです。

つまり、「発表者ツールを使用する」にチェックを入れて記録を始めても、ノートが出ないのは故障ではありません。見る場所が違うだけです。次の項で、記録ウィンドウでノートを出す手順を説明します。

なお、この記事で扱うのはパワーポイントに最初から入っている記録機能です。Zoomの録画や、別の画面録画ソフトで撮る場合は、ノートを表示する方法が変わります。

パワーポイントの記録ウィンドウでノートを表示する手順(Microsoft 365・2021・2024)

ここでは、Windows版の PowerPoint for Microsoft 365、PowerPoint 2021、PowerPoint 2024 の手順を説明します。これらの版は、同じ新しい記録ウィンドウを使います。2019・2016・Mac・Web版の違いは、あとの項でまとめます。

記録ウィンドウを開く

記録ウィンドウは、次のどれかで開けます。

  1. リボンの「記録」タブを開き、「先頭から」または「現在のスライドから」を選ぶ
  2. 画面右上にある「記録」ボタンを押す
  3. 「スライドショー」タブの「スライドショーの記録」から、「先頭から記録」または「現在のスライドから記録」を選ぶ

どの入り口から入っても、開くのは同じ記録ウィンドウです。画面いっぱいにスライドが表示され、上部や下部に録画用のボタンが並びます。まだ録画は始まっていないので、この段階で落ち着いてノートの表示を整えられます。

「記録」タブ自体がリボンに見当たらない場合は、「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」を開き、右側の一覧で「記録」にチェックを入れると表示されます。Microsoftのサポートページでも、この手順が案内されています。

ノートを画面の上部に表示する

Microsoftのサポートページには、記録ウィンドウについて「プレゼンテーションにノートがある場合は、画面上部のテキストに変わり、記録中にテレプロンプターのように使用できます」と書かれています。テレプロンプターとは、テレビの出演者が原稿を読むための表示装置のことです。

つまり、スライドの「ノート」欄に台本を入れておけば、記録ウィンドウを開いたとき、その文章がスライドの上に表示されます。ノートが表示されない場合は、記録ウィンドウの上部にある「ノート」の表示切り替えを押してください。ノートの文章は、あらかじめ標準表示の画面下にあるノート欄に入力しておく必要があります。記録ウィンドウの中では編集できません。

ノートを書く場所が分からない場合は、標準表示の画面下にある「ノート」ボタンを押すと、スライドの下に入力欄が出ます。ここに書いた内容が、そのスライドの台本として記録ウィンドウに出ます。

ビューを切り替える(テレプロンプター・発表者ビュー・スライドビュー)

新しい記録ウィンドウには、画面の見え方を切り替える「ビュー」のメニューがあります。Microsoftのサポートページには、「ビュー メニューでレイアウトを変更し、テレプロンプター、発表者ビュー、スライドビューを切り替えることもできます」とあります。

  • テレプロンプター:ノートを大きく表示し、原稿を読みながら録る向けの画面です。自動スクロールを使うと、話す速さに合わせて文章を流せます
  • 発表者ビュー:ノートと、次のアニメーションやスライドを横に表示します。プレゼンの発表者ツールに近い見え方です
  • スライドビュー:ノートを出さず、スライドを大きく映します。台本を暗記している部分や、操作を見せたい部分に向きます

台本をそのまま読み上げる講義なら、テレプロンプターが読みやすいと思います。次のスライドを確認しながら話したいなら、発表者ビューのほうが安心です。どちらも録画の途中で切り替えられるので、スライドごとに使い分けても構いません。

録画中のノートの文字が小さいときの直し方

ノートは表示できたのに、文字が小さくて読めない、という相談もよくあります。ここでは、記録ウィンドウの中でできる調整と、記録ウィンドウの外でできる準備を分けて説明します。

記録ウィンドウの中で文字を大きくする

テレプロンプターには、文字の大きさと自動スクロールの速さを変える設定があります。Microsoftのサポートページでは、「テレプロンプター ビューで自動スクロール機能を選び、好みに合わせてスクロールの速さを調整すると、記録中に原稿を参照しやすくなります」と案内されています。文字の大きさも同じ設定から変えられるので、まず大きくしてから、読む速さに合わせてスクロールの速さを決めるとよいでしょう。

発表者ビューでは、ノートが横の欄に出ます。この欄の文字の大きさは、欄の下にある文字サイズのボタンで変えられます。ただし、欄の幅は限られているので、長い文章を入れると縦に長くなり、読みながら目線が下がります。文字を大きくするほど、1画面に入る量は減ります。

どちらのビューでも、文字を大きくしただけで読みやすくなるとは限りません。次に説明する「ノートの書き方」を合わせて直すほうが、効果があります。

ノートの書き方を変えて読みやすくする

記録ウィンドウの設定を変えても読みにくいときは、ノートの側を直します。ポイントは3つです。

1つ目は、1枚のスライドに入れる文章を短くすることです。1枚あたり200字前後、話す時間にして1分程度なら、テレプロンプターでも発表者ビューでも一目で見渡せます。長くなるときは、スライドを分けたほうが読みやすくなります。

2つ目は、改行を多めに入れることです。ノート欄で段落を分けておくと、記録ウィンドウでも段落ごとに表示され、今どこを読んでいるかを見失いにくくなります。文の途中で改行するのではなく、意味の切れ目で改行します。

3つ目は、読み上げる文章と、自分への指示を分けることです。「ここでクリック」「間を取る」のような指示は、行の頭に記号を付けるか、かっこで囲んでおくと、読み間違えて声に出すことが減ります。

台本そのものの作り方、たとえば全文を書くのか、要点だけにするのか、という話は、この記事では扱いません。ここでは、書いた台本を記録ウィンドウで読みやすくするところまでにとどめます。

ノートは録画した動画に映る?出力後の確認方法

ノートを表示して録画した人が次に心配するのは、「ノートの文字が動画に入ってしまわないか」です。

結論からいうと、ノートは動画には含まれません。記録ウィンドウに表示されるノートは、録画している本人だけが見る画面です。Microsoftのサポートページによると、記録に保存されるのは、ナレーションの音声と映像、ペンやマーカーの書き込み、レーザーポインターの動き、カメラの映像、スライドを切り替えたタイミングです。ノートは、この一覧に入っていません。

ただし、「入らないはず」で止めず、自分の環境で一度確かめておくと安心です。次の手順で試せます。

  1. 1枚目のスライドだけで、10秒ほど試しに記録する
  2. 記録ウィンドウを閉じ、「ファイル」→「エクスポート」→「ビデオの作成」で動画を書き出す。「記録」タブの「ビデオにエクスポート」からも同じ画面に行けます
  3. 書き出した動画を再生し、ノートの文字が映っていないこと、音声が入っていることを確認する

短い試し録りなら、書き出しも数十秒で終わります。本番の1時間分を録ってから気づくより、最初に10秒で確かめるほうが、やり直しがずっと小さくて済みます。

一方で、注意したい場面が2つあります。1つは、パワーポイントの記録機能ではなく、Zoomや画面録画ソフトでパソコンの画面全体を撮っている場合です。この場合、画面に映っているものはノートも含めてそのまま録画されます。もう1つは、記録したファイルをそのまま人に渡す場合です。動画に書き出さず、パワーポイントのファイル自体を配ると、ノート欄の内容は相手にも見えます。台本に書いた個人的なメモは、渡す前に消しておくか、動画に書き出して配ると安全です。

バージョン・環境で違うノート表示(2019・2016・Mac・Web版)

ここまでの手順は、Windows版の Microsoft 365・2021・2024 が前提でした。使っている版によって、記録ウィンドウの見た目やノートの出し方が違います。自分の版は、「ファイル」→「アカウント」で確認できます。

PowerPoint 2019

2019にも記録ウィンドウはありますが、見た目が古い型です。画面の上部中央に「ノート」ボタンがあり、押すとスライドの上にノートが表示されます。ノートの横にある文字サイズのボタンで大きさを変えられます。「記録」タブは最初は隠れていることがあるので、前の項で説明した「リボンのユーザー設定」で表示してください。テレプロンプターの自動スクロールはありません。

PowerPoint 2016

買い切り版の2016では、記録を始めるとスライドショーが全画面になり、ノートを表示する画面がありません。Microsoftの質問掲示板にも、2016でノートが見られないという相談が残っています。2016で台本を見ながら録るには、ノートを印刷して手元に置く、別のパソコンやタブレットに台本を映す、といった工夫が必要です。Microsoft 365 を契約している場合は、名前が「2016」に見えても更新で新しい記録ウィンドウになっていることがあるので、まず「記録」タブの有無を確かめてみてください。

Mac版

Mac版の Microsoft 365・2021・2024 には、記録スタジオという録画画面があり、テレプロンプタービューと発表者ビューを切り替えられます。Microsoftのサポートページには、「テレプロンプター ビューでは、カメラとの目線を保ちながら原稿を参照できます」とあります。基本的な考え方はWindows版と同じです。ボタンの位置は異なるので、記録スタジオを開いてから、ビューの切り替えを探してください。

Web版(ブラウザで使うPowerPoint)

ブラウザで使う PowerPoint for the web は、Microsoftのサポートページに「スライドショーの記録はサポートされていません」と明記されています。ノートを表示する以前に、記録そのものができません。Web版しか使えない場合は、パソコンにインストールした版で録るか、別の画面録画ソフトを使うことになります。

版が分からないときの見分け方

記録を始めたときに、右下に「ビュー」のメニューがあり、テレプロンプターを選べるなら、新しい記録ウィンドウです。上部中央に「ノート」ボタンがあり、ビューの切り替えがなければ2019型です。全画面のスライドショーになってボタンがほとんど出ないなら、2016の古い記録画面です。

録画前に確認したいこと

ノートの表示ができたら、本番の前に次の点を確かめておくと、録り直しが減ります。

  • 記録ウィンドウでノートが表示され、文字の大きさが読みやすい
  • ノートの内容が、スライドごとに正しく切り替わる
  • 10秒の試し録りを動画に書き出し、ノートが映っていないことと音声が入っていることを確認した
  • マイクとカメラが、意図したものに設定されている
  • 記録中に画面を切り替えたり、別のアプリを開いたりしない

パワーポイントの記録は、スライドが切り替わる瞬間の音声を録りません。Microsoftのサポートページにも、「スライド間の切り替え中はナレーションが記録されないため、切り替えの間は話すのを止め、その後で再開してください」とあります。ノートの段落の切れ目とスライドの切れ目をそろえておくと、切り替えの前に話し終えやすくなります。

まとめ

録画中にノートを表示するには、発表者ツールではなく、記録ウィンドウの側でノートを出します。Windows版の Microsoft 365・2021・2024 なら、記録ウィンドウの「ビュー」からテレプロンプターか発表者ビューを選ぶと、台本を見ながら録れます。文字が小さいときは、テレプロンプターの設定で大きくするのと合わせて、1枚あたりの文章を短くし、改行を増やします。

ノートは書き出した動画には含まれませんが、10秒の試し録りで一度確かめておくと安心です。2019は古い型の記録ウィンドウ、2016はノートを出せない、Web版は記録自体ができない、という違いも覚えておくと、環境が変わったときに迷いません。

記録の途中で一部だけ録り直す方法や、録画から動画の保存までの全体の流れは、別の記事で扱います。

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