講座動画の撮影場所の選び方|自宅で録るか、レンタルスペースを借りるかの判断ポイント

子どもが遊ぶ隣の部屋を気にしながら、ノートパソコンとマイクを置いた机で収録場所に迷う講師

講義動画を自宅で録りにくいと感じても、すぐに場所を借りる必要はありません。空調や反響のように自宅で直せる音なのか、家族の在宅時間や外の工事のように自分では動かせない条件なのかを分けると、場所を変えるべきかが見えてきます。

この記事では、無音の試し録りで原因を確かめる方法、レンタルスペースで撮影の可否や設備を確かめる点、予約前に施設へ送る質問の例、当日の試し録りまでをまとめました。ストアカで初心者向けのAI講座を行う講師として、講義動画を録る人が迷いやすいところを調べて整理しています。

目次

撮影場所に迷ったら、まず自宅の何が問題かを分けて考える

講義動画を自宅で録ってみて、「この部屋ではうまく録れない」と感じると、すぐに別の場所を探したくなるかもしれません。ただ、「自宅では録れない」という感覚の中には、性質の違う問題がいくつも混ざっています。場所を変えるかどうかを決める前に、何に困っているのかを分けて考えてみましょう。

自宅での収録で起きやすい困りごとは、大きく次の3つに分けられます。

  • 音の問題:エアコンや冷蔵庫の音、外の車や工事の音、家族の話し声、部屋の反響
  • 時間の問題:家族が家にいる時間帯が長く、静かに録れるまとまった時間を取れない
  • 映るものの問題:背景に生活感が出る、机が狭い、明るさが足りない

この3つは、直し方がそれぞれ違います。たとえば、エアコンの音や部屋の反響は、録る間だけ空調を止める、布で反響を和らげるといった手持ちの工夫で軽くなることがあります。背景や明るさも、カメラの向きや照明の位置を変えるだけで整う場合があります。

一方で、家族の在宅時間や外の工事の音は、部屋の中をいくら工夫しても変えられません。場所を変える意味が出てくるのは、主にこうした「自分では動かせない条件」が原因になっているときです。

問題を分けないまま場所を借りると、思ったほど変わらないこともあります。借りた部屋でも空調の音や隣の部屋の声は入りますし、マイクとの距離や入力音量が原因なら、どこで録っても同じように聞き取りにくくなります。

まずは、試しに録った動画を見直して、困っていることを「音」「時間」「映るもの」のどれに当たるか書き出してみましょう。そのうえで、自宅で直せるものと、自宅では直せないものに分けると、場所を変えるべきかどうかの判断がしやすくなります。

自宅の調整で足りるのはどんなときか(音声の対策と、無音の試し録りで判断する)

自宅で録れるかどうかは、部屋の印象ではなく、録った音で判断します。そのために役立つのが、何も話さずに部屋の音だけを録る「無音の試し録り」です。

やり方は簡単です。本番と同じ部屋、同じマイク、同じ時間帯で、話さずに10秒ほど録画します。そのあと、イヤホンで音量を上げて聞き直します。話し声がない分、ふだんは気づきにくい空調の音や外の音、パソコンのファンの音が聞き取りやすくなります。

続けて、講義の冒頭を1分ほど話して録り、声の聞こえ方も確かめます。無音の録音で「何が入っているか」、話した録音で「声がどう聞こえるか」を分けて見ると、原因を絞り込みやすくなります。

聞こえた音が次のようなものなら、自宅の調整で足りる可能性が高いでしょう。

  • エアコン、換気扇、冷蔵庫など、録る間だけ止めたり離れたりできる家電の音
  • パソコンのファンや、机に伝わるキーボードの音
  • 声がこもる、響くといった、マイクとの距離や部屋の反響による聞こえ方

これらは、マイクの位置や距離を見直す、カーテンや布で反響を和らげる、パソコンの入力音量を整えるといった方法で軽くなることがあります。具体的な手順は、講義動画の音声が聞き取りづらいときの対策|マイク・部屋・設定を整えるにまとめています。

調整したら、もう一度同じ条件で無音と話し声を録り、前と聞き比べてみましょう。気になっていた音が受講者の聞き取りを邪魔しない程度まで下がっていれば、場所を変えなくても自宅で収録を続けられます。

反対に、調整をひととおり試しても同じ音が残る場合や、録るたびに入る音が違って予測できない場合は、部屋の工夫では動かせない条件が原因になっていると考えられます。

場所を変えたほうがよいのはどんなときか(家族の在宅時間・外の工事の音・どうしても反響が取れない部屋)

自宅の調整を試しても収録がうまくいかないなら、原因は部屋の外や、自分では決められない条件にあるのかもしれません。場所を変えることを考えてよいのは、主に次の3つの場面です。

1つ目は、家族の在宅時間と収録の時間が重なってしまう場合です。話し声や足音、ドアの開け閉めは、録る部屋をいくら整えても止められません。家族に静かにしてもらう時間を毎回お願いするのが難しかったり、静かな時間帯が短くて講義1本分を録り切れなかったりするなら、時間を合わせるより場所を変えたほうが進めやすくなります。

ただし、場所を変える前に、収録の予定を組み替えられないかも確かめておきましょう。講座準備には、資料づくりのように細切れの時間で進められる作業と、収録のように静かな時間がまとまって要る作業があります。作業を分けて、静かな時間を収録だけに回す考え方は、講座準備が終わらないときの進め方|仕事・家事と両立できる作業に分けるで説明しています。それでも収録の時間を確保できない場合が、場所を変える目安になります。

2つ目は、外の工事や交通の音が続いている場合です。近所の工事、大きな道路や線路に近い部屋の音は、窓を閉めても低い音が残ることがあります。工事は自分で終わる時期を決められず、収録の予定が立てにくくなります。無音の試し録りで同じ音が毎回入り、時間帯を変えても残るなら、自宅以外の場所を探す理由になります。

3つ目は、布やカーテンを使っても反響が取れない部屋の場合です。物が少なく壁や床が硬い部屋や、天井が高い部屋では、手持ちの布だけでは響きが残ることがあります。収録できる部屋がそこしかなく、試し録りの声がまだ響いて聞き取りにくいなら、部屋を替えることを考えてよいでしょう。

この3つに当てはまらず、家電の音や距離の問題だけなら、自宅の調整を続けたほうが手間も費用もかかりません。

防音室の購入や大がかりな防音工事を先に考えなくてよい理由

自宅で録りにくいと分かると、「いっそ防音室を買ったほうが早いのでは」と考えるかもしれません。部屋の中に置くブース型の防音室は、10万円前後の簡易的な製品から、数十万円以上のものまで販売されています。ただ、講義動画の収録のために、最初からこうした設備を選ぶ必要はありません。

理由の1つ目は、費用に加えて、置くための条件が多いことです。ブース型の防音室は、外寸より広い部屋が必要で、音が壁を伝わらないように壁から少し離して置く必要もあります。製品によっては重さがあり、木造住宅の2階以上への設置について、メーカーが確認を求めている例もあります。家族と共有する部屋では、置き場所を確保すること自体が難しい場合があります。

2つ目は、防音室に入っても、収録に向いた音になるとは限らないことです。防音室は密閉性が高いため換気扇が欠かせず、換気扇やエアコンの動く音は、録音すると雑音になります。また、防音室はもともと、楽器や声が外へ漏れるのを防ぐ目的で使われてきた設備です。講義動画で困っているのが家族の声や外の音の入り込みなのか、自分の声の響きなのかによって、必要な対策は変わります。

3つ目は、どのくらいの頻度で、どのくらいの長さを録るのかが、最初は見えにくいことです。講座の内容や本数が固まる前に大きな設備を入れると、使う機会に比べて負担が大きくなるおそれがあります。

まずは、自宅の調整を続けるか、必要な日だけ別の場所を借りるかを比べてみるのが現実的です。そのうえで、自宅での収録が続き、外の音や家族の声がどうしても入る場合に、防音室や工事を検討すれば十分です。

借りる場所を選ぶときに確かめること(録音や商用撮影をしてよいか・隣の部屋の音・机・電源・Wi-Fi・準備と撤収を含めた時間と費用)

自宅以外で録ると決めたら、予約の前に、講義動画の収録に必要な条件がそろっているかを確かめます。紹介写真や「撮影OK」という表示だけでは分からないことが多いため、次の点を1つずつ見ておきましょう。

まず確かめたいのは、録音や撮影をしてよいか、そして講座のための撮影が許されているかです。レンタルスペースは、会議や打ち合わせ向け、パーティー向けなど、用途ごとに利用ルールが決められていることがあります。販売する講座の動画を録る場合は、商用利用として扱われることもあります。

たとえば、レンタルスペースの予約サイト「カシカシ」は、動画撮影の特集ページで次のように案内しています。法人・商用利用にあたる用途の場合は、各スペースのページで利用できるかを確かめてから予約する、という内容です。商用利用だけ料金プランが異なる、商用利用での撮影を禁止しているなど、スペースごとにルールが設定されている場合があるとも書かれています。分からないときは、各スペースのページから事前に問い合わせる仕組みです。同じ予約サイトの中でも条件は場所ごとに違うため、借りたい部屋の説明を個別に読むことが欠かせません。

次に、隣の部屋や外の音です。防音設備があると書かれていても、どの程度の音が防げるかは場所によって違います。隣の部屋の利用状況や、建物の前の道路、空調の音まで入るかどうかは、写真からは判断できません。

机と電源も確かめておきましょう。パソコンやマイク、照明を同時に使うなら、机の広さに加えて、コンセントの数と位置が必要になります。画面を共有しながら話す講座や、ライブで配信する場合は、Wi-Fiの有無と安定性も重要です。通信の準備や確認の考え方は、Zoom講座の準備チェックリスト|参加案内・画面共有・当日の進行を確かめるにまとめています。

最後に、時間と費用です。料金は利用時間で決まることが多いため、話している時間だけでなく、機材の設営、試し録り、撤収にかかる時間まで含めて予約時間を見積もります。移動の時間や交通費も加えると、1回の収録にかかる負担を自宅の場合と比べやすくなります。

写真がきれいな部屋=講義動画を録りやすい部屋ではない

レンタルスペースを探していると、大きな窓から光が入る部屋や、天井が高く広々とした部屋、おしゃれな内装の部屋に目が向きやすくなります。ただ、写真で魅力的に見える特徴の中には、講義動画の収録にとっては不利になるものもあります。

たとえば、大きな窓です。ガラスは音を強く跳ね返すうえ、外の音も入りやすい場所です。自然光は顔を明るく見せてくれますが、時間帯や天気によって明るさが変わるため、長く録るほど映像の明るさがそろいにくくなります。

天井が高く、物が少ない広い部屋も注意が必要です。硬い床や壁に囲まれた広い空間では、声が跳ね返って響きやすくなります。写真では開放的に見えても、録音すると声が遠く、こもったように聞こえることがあります。反対に、カーテンやソファ、棚などが置かれた部屋は、写真では地味に見えても、声の響きが落ち着きやすい場合があります。

背景の見栄えも、講義動画では優先順位が下がります。受講者が見たいのは、スライドや画面の操作と、講師の説明です。にぎやかな背景や目立つ飾りは、かえって視線を散らしてしまいます。講師の顔を映す場合でも、無地の壁や落ち着いた背景があれば十分です。

部屋を選ぶときは、写真の印象ではなく、説明文や設備の一覧で、窓の大きさや床・壁の素材、カーテンの有無、照明の種類を確かめましょう。分からない点は予約前に問い合わせると、借りてから困ることを減らせます。講義動画で大切なのは、映える部屋よりも、声がはっきり聞こえて、画面が見やすい部屋です。

予約の前に施設へ聞く質問の例と、当日の試し録り(カシカシで探す場合の流れ)

借りたい部屋の候補が見つかっても、説明文だけでは分からないことが残ります。予約の前に施設へ質問を送り、答えを見てから決めると、当日に「この部屋では録れない」と困ることを減らせます。

質問は、自分がどんな動画を録るのかを最初に伝えると、施設側も答えやすくなります。たとえば、次のような聞き方です。

  • 「オンライン講座で販売する講義動画を、1人で録画したいと考えています。このような利用はできますか。商用利用として別の料金になりますか」
  • 「ノートパソコンとマイクを使って、声を録音します。利用時間中に、隣の部屋や外から音が聞こえることはありますか」
  • 「エアコンや換気扇は、録音する間だけ止めることができますか」
  • 「机の上にパソコンと照明を置きたいのですが、机の近くにコンセントはいくつありますか」
  • 「画面共有をしながら配信する予定です。Wi-Fiは利用できますか。有線で接続できますか」
  • 「予約時間には、機材の準備と片付けの時間も含める必要がありますか」

カシカシで探す場合は、動画撮影の特集ページから候補のスペースを開き、設備や備品、利用のルールを各スペースのページで確かめます。分からない点は、スペースのページにある「このスペースに問い合わせる」ボタンから、予約の前に質問できます。カシカシでは、空き状況を確認して予約リクエストを送り、スペース側に承認されると予約が確定する流れです。答えを読んで、録りたい内容に合う部屋だと判断できてから、予約に進みましょう。

当日は、本番を録る前に試し録りをします。自宅で行った無音の試し録りと同じように、話さずに部屋の音を録り、続けて講義の冒頭を少し話して聞き直します。あわせて、スライドの文字が読めるか、画面に余計なものが映っていないかも確かめます。確認の項目は、講義動画を撮る前のチェックリスト|音・文字・画面を試し録りで確かめるが参考になります。

借りる時間には限りがあるため、講義を最初から最後まで通して録ろうとしないことも大切です。スライドごとに分けて録っておけば、途中で音が入っても、その部分だけを録り直せます。PowerPointで録る手順はパワーポイントで講義動画を作る方法|録画の開始から動画保存までの全手順、1枚だけ録り直す方法はパワーポイントをスライドごとに録画する方法|途中の1枚だけ録り直して動画にするで説明しています。

まとめ

講義動画の撮影場所は、部屋の見た目ではなく、自宅で何が問題になっているかで決めると迷いにくくなります。録った音を聞き、自分では動かせない条件があるときに、はじめて借りる場所を考えれば十分です。

  • 無音の試し録りで入る音を確かめ、家電の音や距離、反響なら、まず自宅の調整で直す
  • 家族の在宅時間や外の工事の音、布で取れない響きのように、部屋の工夫では変えられない条件があるときは、場所を変えることを考える
  • 借りる場所は、写真の印象ではなく、撮影してよいか、周りの音、机と電源と通信、準備と撤収を含めた時間で選び、分からない点は予約の前に問い合わせる

防音室や工事は、自宅の調整や借りる場所で足りないと分かってから考えても遅くありません。まずは、いつも録っている部屋で、話さずに10秒ほど録画し、何の音が入っているかを聞いてみましょう。

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